子どもの大切な3つの権利

にじ

2011年07月27日 07:08

西日本新聞「くらし特報」に8回連載しました。タイトル名は「小さな胸の中に」です。改めて新聞は読み逃したという方のために「NPO法人にじいろCAP代表重永侑紀」の原稿を掲載いたします。この記事に託した気持ちは、子どもたちはどんなに小さな年齢であっても、聴くおとながいてくれればさまざまなことを語る力を持っているし、非常に社会を地上110センチのところからよく見ていることをお伝えしたく書きました。子どもは決して無力ではない、そう感じているのです。

「ねえ、みんなにはどんな大切な権利があると思う?」。そう聞くと、どの年代の子どもたちも生き生きと答えます。
「遅くまで起きている権利」とか「ゲームをし続ける権利」なんて言いません。
にじいろCAPが1996年4月に活動を始めてから、10万人以上の子どもたちに出したこの質問への回答は、「学校に行く権利」「学ぶ権利」「遊ぶ権利」「寝る権利」「家族と暮らす権利」「友だちをつくる権利」「誰かとつながる権利」「失敗する権利」「しゃべる権利」「運動する権利」…などです。
CAPでの子ども自身を対象としたワークショップ(体験型講義)では、その一つ一つの答えが尊重されます。
そして、私たちは、たくさんの権利の中でも特に子どもに大切な三つの権利を伝えます。「安心する権利」「自信を持つ権利」「自由に生きる権利」です。
誰もが嫌なことや怖いことをされたり、暴力を受けたりすると安心、自信、自由を奪われるからです。
誰一人として傷つけられて良い人はありません。特に子どもは、暴力を受けた時点から成長に大きな影響を受けてしまいます。
だからこそ、子どもに特に大切な三つの権利を伝えるのです。
「安心って誰といるとき?」「どこにいると安心?」と尋ねると、教室のあちこちから「家」「学校」「お母さん」「おじいちゃん」「おねえちゃん」「お父さん」などと声が上がります。
しかし、時折、周囲の友達が答えるさまを驚いたように見ている子どもがいます。
一緒にいて安心できる人が具体的に浮かばない、「安心」という言葉に実感が持てない子どももいるのです。
その様子も、また子どもからのメッセージなのです。私たちは、声になる声も、声にならない声も尊重していきます。
ある子どもが語ってくれました。「私は学校の方が安心だよ。だって家ではいっつも誰かが泣いているもの」と。また別の子は言います。「僕はいいんだ。でも弟や妹がたたかれたり蹴られたり、お母さんが泣いたりしているんだ。僕はお母さんを守ってあげられない。だから学校にいても家にいても安心、自信、自由な権利はないんだ」。
言葉を与えられるだけで、子どもたちは語りたいことを、語りたいように、語れるようになる―。この15年間の活動の中から実感したことです。

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