2011年04月26日

ワガママ

2011.3.28愛媛新聞(共同通信社発)

連載:幸せになれない理由 

きたやまおさむ著(精神科医・作詞家)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8C%97%E5%B1%B1%E4%BF%AE


~ワガママ~ 

 ワガママとは日本語では、なぜかすごくいけないことを表します。ワガママとは自分の思い通りにしたい気持ちであって、自分の思い通りになれないと腹が立ったり傷ついたりするかれでしょう。
なんとか思い通りにしてやろうと画策したり執念深く考えたり、ひとのことを誹謗中傷したりする心の背後にもワガママが存在するからでしょう。だからワガママというのは、不幸の理由の代表なのです。
 ところが子供は本当にワガママです。自分の思い通りにならないと必ず怒って騒ぎます。ワガママな子供時代は、皆が裸の王様だとかお山の大将であって、世界中の子供たちが経験します。
 しかしいったんワガママを満喫すると、やがて現実とぶつかります。そしてぶつかり合いながら最終的には折り合いをつけていくことを覚えます。子供はいったんお山の大将をやってから、段階的に治まって、やがては外界と折り合いをつけることで成長していくことになります。
 だから、非常に早いうちにこのワガママをつぶされると、一生世界は自分の思い通りにならないという気持ちになってしまうでしょう。ワガママとは希望とか願望とから夢とかの源なのです。
 私たちはおいしいものが手に入る方法を知らない状態で生まれてきますが、子供いったんおいしいものがあると分かり、味を占めるとワガママになります。だからワガママとは欲しいものを探したり、夢見たり、希望を持ったりすることの原点なのです。
 だから、幸せになろうとするのは、悪い意味のワガママだとは限りません。特に幼いときの万能感は大事です。やっかいなのは年寄りのワガママで、年をとっても裸の王様やお山の大将では、相手にされないかもしれません。

(記事をそのまま記載しましたので「子供」と表記させてもらいました。)










Posted by にじ at 17:10│Comments(0)
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