2010年08月24日

虐待の連鎖・暴力の連鎖を断ち切る

よく虐待のことを人にお話をするチャンスをもつと、「虐待は連鎖するから」ということを懸念されます。

それって本当?・・・と考えたことはありますか?

子ども時代に虐待を受けた保護者が、自分が子育てをする保護者側になって虐待をくり返すということは35%±5程度です。実際には7割近くの人たちが、自分が過去に経験した虐待をくり返したりはしません。

ただし、児童相談所や、精神科医さんなどのように現在、虐待をしてしまっている保護者さんのケアを受け持っている人たちは、その人たちから過去の体験を直接、お聞きになるので、あたかもすべての虐待を受けた体験のある人が虐待をしてしまうと感じてしまわれるようです。

ここで問題なのは、矢印の方向です。子ども時代の虐待を受けた体験の人が、虐待をする側になる確率は35%±5にすぎない! この35%の人たちの過去をさかのぼって、子ども時代をふり返ると虐待を受けた体験があるということです。

この違いを安易に並べると、たくさんの人たちを不安に陥れることになります。
人間は、人に語りたくないような体験もしますが、その体験を受け止めてもらえる体験もまたするのです。

暴力は人を遠ざけてしまう影響があります。
それゆえに、暴力を受けただけで人は孤立してしまいやすいのです。
だからこそ、暴力を受けたと思われる人の中にある孤立感に寄り添って、「あなたは一人じゃない」「あなたは暴力を受けていい存在なんかじゃない」ときっぱりと、毅然と言える人間でいたい、そう私は思うのです。




Posted by にじ at 16:49│Comments(0)
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